上咽頭がんとは、上咽頭の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。
上咽頭とは、鼻の後方に位置する、咽頭(のど)の上部のことをいいますが、咽頭は全長約13cm(約5インチ)の中空の管で、鼻の後方から始まって気管と食道(咽頭から胃まで続く管)の上端まで続きます。空気や食べ物が気管や食道に送られる際には、この咽頭の中を通過していきます。鼻の孔は上咽頭に通じています。上咽頭には左右に開口部があり、それぞれ左右の耳につながっています。上咽頭がんは、上咽頭の表面を覆う扁平上皮細胞の層に最も多くみられます。
中咽頭がんは、中咽頭の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。
中咽頭は、口の奥に位置する咽頭(喉)の中間部です。咽頭は全長約13cm(約5インチ)の中空の管で、鼻の後方から気管(のど笛)と食道(咽頭から胃まで続く管)の開始部まで続きます。空気や食べ物が気管や食道に送られる際には、この咽頭の中を通過していきます。
下咽頭がんは、下咽頭の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。
下咽頭とは咽頭(のど)の最下部のことです。咽頭は全長約13cm(約5インチ)の中空の管で、鼻の後方から始まって頸部を下行し、気管と食道(咽頭から胃まで続く管)の上端まで続いています。空気や食べ物が気管や食道に送られる際には、この咽頭の中を通過していきます。
喉頭がんは、喉頭の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。
喉頭は喉の一部で、舌の根元から気管までの部分です。喉頭には声帯が存在しますが、この声帯が空気を受けて振動すると音が発生します。この音が咽頭内、口腔内、鼻腔内を通過しながら反響していくことにより、最終的に人の声が作られます。
舌がんは、舌の前3分の2(口を開けて普通に鏡で見える範囲)と舌の縁、下面の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。
口の中に発生するがん(口腔がん)の約50~60%を占めます。口腔がんのほとんどは、扁平上皮癌という種類のもの。まれに、肉腫も発生します。
副鼻腔がんと鼻腔がんは、副鼻腔または鼻腔の組織の中にがん(悪性)細胞ができる疾患です。
「副鼻」とは「鼻の近くにある」という意味です。副鼻腔とは、鼻の周囲に存在する空気で満たされたいくつかの小さな空洞のことです。副鼻腔の内部は粘液(呼吸による鼻の内部の乾燥を防いでいる液体)を分泌する細胞によって覆われています。
甲状腺がんは、甲状腺の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。
甲状腺とは、咽頭の最下部の気管の近くに位置する内分泌腺のことです。その形状は蝶の形に似ていて、右葉と左葉から構成されています。これら2つの葉は峡部(中間部の細くなった部分)と呼ばれる組織によってつながれています。正常な甲状腺の重量は25セント硬貨(5gほど)より若干重い程度です。通常は皮膚の上から触知することはできません。
唾液腺がんは、唾液腺の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。
中でも耳下腺は左右の耳の前下方に位置する最も大きな唾液腺で、大唾液腺の腫瘍のほとんどは、この唾液腺から発生してきます。
唾液腺とは、唾液を作って口腔内に放出している器官です。唾液には、食べ物の消化を助ける酵素と口腔および咽頭(のど)の感染防御を担う抗体が含まれています。